第6章 リヴァイと倉庫で
しばらくすると、
「すみません!
この中にリヴァイ兵長いませんか?!」
ドアの外から声が聞こえる。
「ああ。いる。
内側からドアが開かなくなった。
そっちから開けてくれ。」
リヴァイの声はいつもの“兵長”の声だ。
「この状態を見られたら、
確実に誤解されますよね……」
エマはリヴァイの腰に回した手を
そっと放す。
「二人でここにいるのを見られたら、
また噂が流れるのは間違いないな。」
リヴァイはエマから離れ、呆れた声を出した。
「兵長!大丈夫ですか?!」
重たいドアを開けたのは、
またしてもジャンだった。
「……エマさん、ですよね?」
リヴァイの隣にいたエマの姿を見た瞬間、
ジャンの顔は戸惑いを隠しきれずに引き攣る。
「……私は助けてくれたのが
ジャンで良かったと思ってるよ。
ジャンは口堅いもんね。」
そう言うエマを横目に
「それなら問題ないな。口外は慎め。」
リヴァイはそう言って
軽くジャンの肩を叩いた。