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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第6章 リヴァイと倉庫で



「……すみません。
ありがとうございます……」

やっとそれだけ言ったエマに、

「お前、もしかして泣いてんのか?
そんなに怖ぇのか?」

そう言って問いかけるリヴァイの口調は
優しいままだ。


「いえ、安心したら泣けてきました……」

エマはリヴァイの腰にゆっくり手を回す。


「こんな恥ずかしい話して、
呆れられる覚悟だったのに。
なのに、リヴァイさん、
めちゃくちゃ優しいから。」

涙が次々に溢れるのを抑えきれず、鼻声になる。


「……バカ言え、俺はもともと優しい。」

そう言うとリヴァイは
そっとエマの髪を撫でた。





「あの、すみません。
リヴァイさんの服、結構な勢いで濡れました。
ここから出たら洗濯して返します……」

そう言うエマの声は、震えが止まっていた。


「……そのくらいの
気遣いができるようになったなら、
もう割と平気だな。」

リヴァイはゆっくり息を吐く。


「まぁ、俺が訓練中に倉庫に行ったきり
戻ってこねぇんだ。
一緒に訓練していた誰かが
様子を見に来るだろ。」

リヴァイの声は落ち着いていた。



「……小窓からの脱出は?」

エマは心配そうに尋ねる。


「もう服を汚したくねぇからな。ここにいる。」

リヴァイのその答えに、
エマは思わず笑みをこぼした。

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