第78章 選択の理由
「エマさんは、もうリヴァイ兵長と
寄りを戻したいとは思わないの?」
「寄りを戻すか……
そんなこと考えなかったな。」
ジャンはエマの発言に笑うと、
「それくらいエルヴィン団長が大切ってこと?」
そう言ってエマの顔を覗き込む。
「そうだね。そんな事、考える気も
なくなるくらい大事に想ってるよ。」
「なんか、すげぇ悔しいな。」
ジャンは大きくため息をついた。
「俺も結構頑張ってたと思うんだけどなぁ。」
「……ごめん。」
エマは思わずジャンに頭を下げる。
「結局エルヴィン団長を
選んだ決め手って何だったの?」
「そうだなぁ……」
エマは少し考え込むと、話し始める。
「何もかも包み込んでくれる
優しさがあって、
支えたくなるけど
支えて欲しいとも思えて。」
ジャンは小さく
ため息を漏らしながら聞く。
「でも1番の決め手は
一途に想い続けてくれてたことかな。」
エマはそう言って笑った。