第75章 想い出の倉庫にて
「……何だか、不思議な感じがします。」
エマはリヴァイの服の裾を
少し掴んだまま話し出す。
「もう、こうやって
普通に話せないだろうな、
と思ってたんで。」
リヴァイは黙って少し俯いた。
「……あの時は、色々、すみませんでした。」
「お前が謝ることはねぇだろ。」
リヴァイはエマの方に目を向け、
「お前に酷く当たって、
悪かったと思ってる。」
伏し目がちに、そう言った。
「いや、私もかなりしつこかったし、
無茶苦茶なことして」
「お前は今、幸せか?」
エマの言葉に被せるように言った
リヴァイの急な問いに、
エマは一瞬戸惑うが、
「はい、幸せです。」
そう言ってリヴァイの方を見た。
そのまま、静かに時間は流れていく。