第6章 リヴァイと倉庫で
「調子は悪いが、
立体機動であそこまで行けないこともねぇな。
外に出たら、ドアを開けてやるから
少し待っていろ。」
そう言って、立体機動装置に手を掛ける。
が、服が引っ張られるのをまた感じた。
「……おい。お前が手を離さないと、
俺は行けねぇんだが。
さすがにこの調子の悪い立体機動で
二人移動するのは難しい。」
リヴァイは呆れたような声を出す。
「……あの、本当に申し訳ないんですけど、
もう少しだけ
ここに居てもらってもいいですか……?
今リヴァイさんに離れられると、
精神的に結構まずい気がして。」
今まで聞いたことのないエマの震える声に
リヴァイは異変を感じる。
「……お前、何で暗闇が苦手なんだ?」
エマはリヴァイの突然の質問に
一瞬口を噤んだ。
「それ、話すべきですかね……?」
そう言ってリヴァイの服の裾を離そうとするが、
やはり無理だと思い、また強く裾を掴む。
「言いたくねぇことなのか。」
リヴァイの声は落ち着いていて、
怒っている様子はない。
「話したくないならいいが……
一人で抱え込むことで、
この状況は解消すんのか?」
そう言うリヴァイが、エマの肩に触れた。
じんわりとリヴァイの体温が
エマの肩に伝わってくる。
「……話、長くなるかもしれないですけど、
いいですか……?」
エマは腹を括り、暗闇に少し適応してきた目が、リヴァイの頷くような動きをぼんやりと確認し、ゆっくり口を開いた。