第73章 苦悩と切ない恋の物語
エマは風呂に入った後、
部屋で一人、窓辺に座って星を眺めていた。
今朝、いきなり自分が下した決断には、
自分でも驚いている。
だが考えてみれば、
自分が重要な決断する時は
いつも突然で、突発的だった。
調査兵団の料理人になると決めた時も
リヴァイを選ぼうと思った時も
そして今回、
エルヴィンを選ぼうと思った時も。
エマは少し深呼吸し、目を瞑る。
リヴァイのことを思い出そうとするが
前より少し、記憶が霞んでいることに気付く。
『これで良かったんだ。』
そう思い、小さく笑った。