第72章 君だけに見せる顔
「………え。」
一瞬動きを止める三人だったが、
「お疲れさまです!エルヴィン団長!」
と、エレンとジャンは敬礼をする。
「ああ。お疲れさま。
敬礼を降ろしなさい。」
エルヴィンはそう言ってジャンの方を向くと、
「ジャン。君には酷な事実だが、
エマは今朝から私の恋人になった。」
そう言った後、
すぐさまエマの方に向き直り、
「エマ。一秒でも早く、
この仕事を片付ける。
部屋で待っていてもらいたいが、
眠くなったら先に寝るんだよ。」
そう言って優しくエマに笑いかけると、
足早に食堂から去って行った。