第71章 報告と暴露
「……なんか、照れますね。」
エマはエルヴィンの顔を
横目で見ながら言う。
「ああ。そうだな。」
少し困ったような顔のエルヴィンに
「エルヴィンさんも余裕なさそうな顔を
することがあるんですね。」
エマそう言って、くすくすと笑う。
「さすがにあんなことをバラされると、
余裕もなくなるよ。」
エマがそんなエルヴィンを
嬉しそうに見つめていると、
エルヴィンは優しい表情で笑い、
エマの頬に手を当てた。
「本当に良かったよ。君を想い続けて。」
エルヴィンはそう言って、
エマの額に軽くキスをする。
「き、勤務中ですよ?」
エマは瞬時に頬を紅潮させると、
どもりながら言った。
「そんな可愛い顔をする
君がいけないんだろう。」
「……何ですか、その言い分。」
エマはそう言って顔を手で隠すと、
エルヴィンはその手を握り
「今日は少し遅くなるかも知れないが、
必ず君の部屋に行く。
君に余裕があれば、続きをしよう。」
そう言って微笑みかけた。
「……もう既に余裕はないんですけど。」
赤面したままのエマの一言に、
エルヴィンはまた笑った。