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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第66章 見通された思い



「何で、というのは、
私が君のことを好きなのにも関わらず、
何故ジャンのカバンの中に避妊具を入れたか、
ということか?」

エルヴィンは冷静に事実を話し、
問いかけ返す。


「そんな風にハッキリ言われると、
なんか聞き辛くなるんですけど……」

エマはそう言いながら少し赤面する。


「簡単に言えば、
ジャンは持っていないと思ったから、
渡しておいた方がいいと思った、
というだけだ。」

「それって、ジャンと私が
すると思ってのことですか?」

エマは俯き加減にエルヴィンを見た。


「なんだ、しなかったのか?」


そのエルヴィンの単刀直入な言い方に、
エマはまた赤面する。



「………いえ。
しなかったわけではないです。」

「君は本当に、嘘がつけないな。
と言うより、嘘をつかないのか。」

エルヴィンはそう言うと小さく笑った。




「私は、君がきっとジャンを
求めるだろうと思ったからね。」

エルヴィンはそう言うと、エマの方を向く。


「一人で悩むのは辛いだろう。
そんな時だからこそ
人肌が恋しくなるときだってある。
……だが、」

エルヴィンは俯くエマを見つめる。


「私が言える立場ではないが、
出来ることなら君には
自分の身体を大切にしてもらいたい。」


エマは黙ってエルヴィンの話を聞く。



「しかし君の淋しさは、
誰かに抱かれることで
満たされる時だってあるのだろう。
ならばせめて、
他では辛い思いをしないようにと
ジャンのカバンに避妊具を入れておいた
……それだけだ。」


エマは話を聞き終わると、
大きくため息を吐いた。

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