• テキストサイズ

自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第65章 余裕のある大人の夜





次の日の朝方、
エマは窓にぶつかる雨の音で目を覚ます。



横を向くと、少し笑っているような、
楽しそうな表情で眠るジャンがいた。



『可愛い寝顔だなぁ……』

エマはそう思い、
思わずジャンの髪を撫でる。


ジャンは一瞬動いたようにも思えたが
また小さく寝息を立て始めた。



『髪、意外とサラサラなんだな。』

そんなことを考えていると、
ふと、リヴァイの髪に初めて
触れた時のことを思い出す。


『……リヴァイさん、触られたら
すぐ目を覚ましてたよなぁ。
それで不眠症だって言ったら怒られたっけ。』

エマは、自然と込み上げてくる涙を
必死に堪え、

『もう泣かない。』

そう思い、強く目を瞑ったその時、

「おい、泣くときは事前に教えろよ。」

と、ジャンに強く抱きしめられた。





「……ジャン、いつ起きたの?」

「髪触られたとき。」

「ジャンもそれだけで起きちゃうんだね。」


エマはそう言うと、
自分の頬に涙が伝うのを感じた。



「そうやって一人でいるときも
我慢してんだろ。泣き虫のくせに。」


エマは口を噤む。



「いいんだよ。何も考えず泣いたら。
枯れるまで泣けよ。」

ジャンはそう言ってエマの髪を
優しく撫でた。

/ 770ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp