第63章 ジャンの想い
「正直、最近ほとんど眠れてない。」
エマは目を瞑ったまま言う。
「リヴァイさんを部屋に呼ばなくなって
体力的には楽になったけど、
精神的には苦しくなった。」
ジャンはエマの話を黙って聞く。
「リヴァイさんと話すきっかけ作りの為に
部屋に呼んでたけど、
どうせ話なんて聞いてもらえないことくらい
分かってたし。
今冷静になって考えたら、ただ会いたかった
だけだったのかも知れない。」
ジャンはエマの話を聞き終わると、
小さくため息を吐き、
「それなら、
俺呼んでくれたらいいよ。」
そう言ってエマを見つめる。
「俺の鼓動で眠くなるんだろ?
エマさんが必要とするなら、
俺はいつでもエマさんの所に行くよ。」
エマが目を開けると、
ジャンは優しい表情で笑った。