第60章 疲れた身体
「夜な夜なそんなことしてんじゃ、
あんまり寝られてないだろうし
身体壊すのも時間の問題だろ。」
「大丈夫。やれるとこまでやってみる。」
エマは心配そうなジャンの目に
笑いかける。
「辛くなったらすぐ言えよ。
て言うか、辛くなくても言え。
俺がいつでも話聞いてやるから。」
ジャンが乱暴にエマの髪を撫でると、
「ごめんね、
心配かけるばっかりで。」
エマは申し訳なさそうにジャンを見た。
「ほんとだよ。
エマさんを心配することが
俺の副業になりつつあるんだけど。」
エマは思わず吹き出すと、
「ジャンに給料払わなきゃね。」
そう言って笑う。
「エマさんは、やっぱり
そうやって笑ってる方がいいよ。」
ジャンはゆっくり立ち上がり、
「倒れたらお見舞い行ってやるから。
リンゴはないけどな。」
と、エマに笑って見せてから
後ろ手で手を振り、基地の方へ歩いて行った。