第59章 聞いて欲しい
「ちゃんと、話がしたいです。」
エマのその言葉を聞き、
リヴァイは大きくため息を吐く。
「……おい。昨日あれだけ言ったのに
まだ言われ足りねぇのか。」
「私は殆ど何も言ってませんから。」
エマはそう言うと、リヴァイの目を見入った。
「私はリヴァイさんに何て言われようと
リヴァイさんが好きです。
最初の気持ちと変わらず、いや、それ以上に、」
「黙れ。」
リヴァイはそれだけ言って立ち上がる。
「俺はお前の話を聞きに、ここに来たんじゃねぇよ。」
「……そうですね。」
「やらねぇなら、俺は帰る。」
「………分かりました。」
エマは特に引き留めることもなく、
リヴァイをドアまで見送る。
そして、
「リヴァイさん。明日も来てください。
自分で抜く手間が省けるし、
後処理も楽ですよね?」
と、リヴァイに耳打ちした。
「そうだな。
お前が嫌になるまで来てやるよ。」
リヴァイは冷たい表情のまま
そう言うと、部屋から出て行った。