第56章 告白からの推測
「とりあえず、
エマさん、これからどうすんの?」
「………どうしよう。」
ジャンは少しため息を吐いた後、
「分かった。いいよ。三択にしてやるから。」
と、提案を持ち出す。
「1.俺と恋人になる
2.エルヴィン団長と恋人になる
3.別の人を探す、どれがいい?」
「…………」
「ほら。さっさと答えないと
勝手に1にするぞ。」
ジャンはエマの頭を小突く。
「……そこに答えはないです。」
ジャンは少し笑うと、
「そうだろうな。
じゃぁ4番目の選択にしろ。」
そう言ってエマの頭を撫でた。
「ジャン。ごめん……
なんか、ほんと色々……」
「なぁ。思い当たることが多すぎて
困るんだけど、どれについて?」
「ジャンの気持ちに気付かず
自暴自棄になって誘ったくせに、
何もかも途中やめにさせて
しかも告白まで断るっていう暴挙について……」
ジャンは思わず吹き出すと、
「ほんと、言葉にしてみると
エマさん最低だな。」
そう言って笑い出す。
「……本当に最低です。」
「でもそんなエマさんも含め、
俺は好きなんだけど。」
エマは何も言えず、少し俯く。
「まさかエマさんが失恋すると
そんな風になるとは思ってなかったから
すげーびっくりしたけど、
今隣に居られて良かったと思ってるよ。」
「私も。今隣にいるのがジャンで良かった。」
「それってエルヴィン団長よりは
俺の方が好きって意味?」
エマは一瞬ジャンを見た後、
考え込むように目を瞑る。
「………まぁいいよ。
一番じゃなきゃ意味ないし。」
ジャンはふて腐れたように言った。