第56章 告白からの推測
「何らかの出来事があって、
気持ちに変化が表れたんなら
それは大方、エルヴィン団長と
エマさんが一緒にいたところを
見たからってとこだろうな。」
「あ。そう言えば、エルヴィンを選びたいなら
選べって言われた……」
ジャンは小さく息を吐くと、
「それなら、その線は濃厚だな。」
そう言って、エマを見る。
「でもそれくらいで、別れるまで行くか?
兵長のことだから、
二人が一緒にいるのを見た時点で、
エマさん言い上げて、
団長ぶん殴ると思うんだけど。」
ジャンのその言葉を受け、
エマは少し考えると
「確かに。そっちの方が納得いく。」
そう言って、頷く。
「でもね、もしかしたら昨日の一件で
堪りに堪ってた不満が、
爆発したのかもしれないし。」
「兵長だったら不満は溜めずに
小出しにすると思うけど……」
ジャンはそう言って
横目でエマを見た。
「さっきから思うんだけど、
ジャン、リヴァイさんの行動
理解しすぎじゃない?」
エマは訝しげな表情で
ジャンを見る。
「なんとなくだけど、
俺、兵長の気持ち分かるんだよな。
多分恋愛に対する考えが、
少し似てるからだと思う。」
「え。ジャンもあんなにSっ気強いの?」
「俺は兵長と違って、
制御できるから大丈夫なの。」
「……ジャン、大人だね。」
「と言うより、兵長が嫉妬深すぎるんだよ。」