第56章 告白からの推測
「ちょ、ちょっと待ってよ!
何でジャンがそんなこと」
「昨日兵長、俺に言ってたんだよ!
お前にエマを渡す気はねぇってな!」
ジャンは声を荒げる。
「………身体の話なんじゃない?」
「んなわけねぇだろ!
こっちは真面目に話したんだから。」
「何を?」
「エマさんの気持ちを
理解する気がないなら、
俺がエマさんをもらうって。」
「……ジャン。
何でそんな喧嘩を売るようなことを……」
「お前が好きだからに決まってんだろ!」
その一言に、エマは言葉を失う。
「……ったく、今までそれに
全く気付かないエマさんも
意味わかんねぇけど、
昨日あんだけ俺を言い上げて殴ったくせに
エマさん振ってる兵長は
もっとわかんねぇよ。」
ジャンは首元を手で擦る。
「……やっぱりそれ、
リヴァイさんがやったの?」
「そうだよ。思いっきり殴られた。」
ジャンは大きくため息を吐いた。