第53章 暗闇での反省会
「とりあえず、もしかしたら
すれ違いだった可能性もあるし、
少し兵長の様子を伺ってからだな。」
「……すれ違い、ってことは、
もしかしたらリヴァイさんは
私とエルヴィンさんが一緒に帰ってるところを
見てたかもしれないってことだよね……」
エマはそう言って、
また大きくため息を吐いた。
「今更そんなこと言っても仕方ねぇだろ。
てか、帰る時までいちゃついてたのかよ?」
ジャンは唖然とした顔で問いかける。
「さすがに帰り道では何もないよ。」
エマは横目でジャンを見ながら答えた。
「……聞いてみただけだろ。
そんな顔で見るな。」
ジャンはエマの頭を小突く。
「とにかく、今日のことは全部私に非があるし、
正直に話して謝るしかない。」
エマがそう言って立ち上がると、
「まぁ、そりゃそうだな。
ただでさえ嫉妬深い兵長だし、
早めに謝るに越したことはないかもな。」
ジャンもそう言いながら、
エマに続いて立ち上がった。
「ジャン。今回も情報提供ありがとう。
これからリヴァイさんの部屋に行ってみる。」
「は?これから行くのか?
ちょっと気が早すぎるだろ。
明日でもいいんじゃねぇの?」
ジャンはエマの発言に、呆気にとられる。
「いや。今この決意のままで行かないと。
間を置いたら怖くなるし。」
エマは部屋のドアを開けた。
「もしまた何かあったら、
俺に泣きついてきていいぞ。」
ジャンがニヤリと笑ってそう言うと、
「そんなことにならないように善処します!」
そう言ってエマはジャンに笑いかけ、
部屋を出て行った。