第51章 星空の帰り道
エマは着替え終えると、
エルヴィンと城の外へ向かった。
「また私の知っている
貴族女性に会うと面倒だ。
会場を通らず、裏口から帰ろう。」
エルヴィンはそう言って
エマの手を引き、
「ピクシス司令に
挨拶もせず帰るのは気が引けるが……
今はそんなことを
言っている場合でもないな……」
と、大きくため息を吐く。
「大丈夫ですよ。
私のお父さん兼おじいちゃん
みたいな存在なんで。」
エマがそう言って笑って見せると、
「それならなおさら、挨拶しておきたいが。」
エルヴィンはそう言いながら、笑顔を返した。
城の外に出ると、
綺麗な星空が広がっていた。
「あー。なんか改めて思いました。
私は煌びやかなシャンデリアより、
こっちの方が好きです。」
エマが空を指さすと、
「そうだな。私もだ。」
エルヴィンは少し笑ってそう言った。