第50章 幸せの為には
その頃、城の前に着いたリヴァイは、
外で酒を煽っていたピクシスと鉢合わせる。
「リヴァイ。そんな恰好でどうした。」
ピクシスは酒を飲む手を止めると、
リヴァイに問いかけた。
「うちの料理人に用がある。」
リヴァイはそれだけ言うと、
城の中に入ろうと足を進める。
「お前が本当の恋人か……」
ピクシスは小さくそう呟き、
「すまんが、お前にエマを
やることはできん。」
と、声を張り、リヴァイに呼びかける。
リヴァイは足を止めた。
「ワシはな、お前のことが憎い訳でも
嫌いな訳でもない。」
リヴァイは振り向き、ピクシスの顔を見る。
「だがな、あの子のことを小さい頃から
見守っていたワシから
言わせてもらうなら、お前はあの子に
似つかわしい男ではない。」
ピクシスは真剣な表情でリヴァイを注視した。