第46章 ジャンの告白
ふと口に手を当てると、血が滲んでいる。
触ると激痛が走った。
殴られている。
あまりに早すぎて、
何が起きたか理解するのに時間がかかった。
「ジャン。お前の言い分はよく分かった。」
リヴァイはそう言いながら、ジャンを見下ろす。
「だからといって、
お前にエマを渡す気はない。」
ジャンは何も言わず、リヴァイの顔を見た。
リヴァイは少しため息を吐き、
「……だが、お前のお陰で少し目が覚めた。
それについては礼を言う。」
そう言って、ジャンに背を向けて歩き出した。
「リヴァイ、もう調査終わるよ。
ジャンと仲直りできたの?」
自分の方に向かって歩いてくるリヴァイに、
ハンジは声をかける。
「詳しいことが知りたいならジャンに聞け。
あと、俺は直帰したことにしろ。
これから行くところがある。」
「え?まさかエマのところ?
でもパーティー、もう終わるんじゃないの?」
「パーティーが終わろうと関係ない。
今あいつに会うべきだと思うから、
行くだけだ。」
リヴァイはそう言うと、
立体機動装置で城の方向へ向かった。
「あのままでいっちゃうんだ。
愛されてるねぇ、エマは。」
ハンジは笑ってそう呟くと、
リヴァイの背中を見送った。