第4章 エルヴィンの部屋にて
「かなりの揺れだったし、
しばらくしたら誰か兵員が
様子を見に来てくれるだろう。
それまでは狭いが、しばらくここで
我慢してもらってもいいかな?」
エルヴィンは心苦しそうな表情で
エマの顔を見た。
「大丈夫ですよ。
逆に私が申し訳ない気分ですから。」
そんなエルヴィンの心配を払拭しようと
エマは笑いかける。
「いや、私はラッキーなくらいだよ。」
そう言って見つめられたエマは、
思わず目を逸らした。
「忠告を聞かず部屋に留まった上に
助けてもらって……
ありがとうございます。」
エマは自分の顔が
少し熱くなるのを感じた。
思えば異性とこんな近くで話すのは
初めてだった。
「こちらこそ、ありがとう。」
エルヴィンはそう言って頬を緩める。
不思議そうな表情を見せるエマを余所に
「さっきは地震に気付いて
言いそびれてしまったが、
エマには兵員たちも助けられていたようだね。」
と優しく笑いかけた。