第45章 波乱に巻き込まれて
「大丈夫だ。何も心配しないでいい。
私に任せなさい。」
エルヴィンはそう言うと、エマの手を握る。
「今日は恋人だろう?
それらしく振舞ってもらわないとな。」
そう言ってニヤリと笑うエルヴィンに、
「……そうでした。
私もエルヴィンさんに負けず楽しみます。」
と、エマはエルヴィンと腕を組んだ。
「ピクシスさん。」
エマはワイングラス片手に
会場挿花を眺めるピクシスに声をかける。
「おお、エマ。ついに恋人を連れてき」
ピクシスはそこまで言うと、
エルヴィンを見て言葉を止めた。
「ピクシス司令。
お世話になっております。」
エルヴィンはピクシスに微笑みかける。
「なかなかの大物を連れてきたな……」
ピクシスはそう言うと、笑い出した。
「え、そこ笑うところなの?」
予想外の反応に、
エマは思わずツッコミを入れる。
「いや、少し嬉しくなったのだよ。
なぁ、エルヴィン。」
ピクシスはそう言うと、
エルヴィンに目を向けた。