第45章 波乱に巻き込まれて
次の日の夕方、エマは
煌びやかなお城の前に佇んでいた。
『……この中入るの?
かなり勇気いるんだけど……』
そんなことを考えながら尻込みしていると、
後ろから声を掛けられる。
「エマ。良かった。来てくれたんじゃな。」
振り向くと、そこにはピクシスが
嬉しそうに笑って立っていた。
「おじさっ……じゃなくて、ピクシス司令。
本日はお招き頂き、ありがとうございます。」
エマは言い直しながらも
深々と頭を下げた。
「なんだ。
急に大人びた対応をするのう。」
ピクシスの顔は、どこか不満気だ。
「……そりゃ、ここで
おじさんなんて呼べないでしょ。」
エマは小声で話す。
「それもそうか。」
ピクシスはそう言って笑い、
「最初は入るのに勇気がいるのだろう。
更衣室まで案内してやろう。」
と、エマの手を取ると、歩き出した。