第44章 パーティー前日の慌ただしさ
そんなエマを見て、エルヴィンは笑い出すと
「そんな顔をするな。冗談だ。」
そう言ってソファーに座り込んだ。
エマは大きくため息を吐き、
「エルヴィンさん……
冗談の精度が高すぎて、
私には見分けがつかないです。」
と、肩を撫でおろした。
「ところで明日私は、
夕方まで会議が入ってるんだ。
だが、パーティーには間に合わせる。
すまないが、先に会場に行って
待っていてくれるか?」
「大丈夫です。
私の方こそすみません。
エルヴィンさん忙しいのに……」
「問題ない。
会議後の楽しみができたから、
きっと仕事も捗る。」
エルヴィンはエマに笑いかけた。
「……本当にエルヴィンさん、
優しすぎますね。」
エマは小さくため息を吐く。
「誰にでも優しくしている訳ではないよ。」
エルヴィンはそう言って
エマの目を見つめる。
「そろそろ乗り換えたくなってきたかな?」
「の、乗り換えるって、」
そう言いながらたじろぐエマを見て
エルヴィンは少し笑い
「明日は楽しみにしているよ。」
と、エマの頭を軽く撫でた。