第42章 喧嘩の後で
少しの沈黙の後、ジャンは小さくため息を吐き
エマの目を見つめると
「辛い思いしても、兵長の側に居たいんだろ?」
と、笑って見せた。
エマはまた目に涙をためると、
「……そうみたい。」
そう言ってジャンの胸に顔を埋める。
「それなら仲直りしないとな。」
ジャンは優しくエマの髪を撫でた。
しばらくして、ジャンはエマを離し、
「そろそろ泣き止んだだろ?」
と、エマの目を見た。
「……うん。
ジャンは私が泣き止むタイミングまで
熟知してるね。」
エマは少し笑って答える。
「またジャンに借りが増えちゃったな。」
エマがそう言って
小さくため息を吐くと、
「もういいよ。
これからは貸し借り抜きで、
エマさんの相談受けてやるから。」
ジャンはエマに笑いかける。
「だから、また何かあったら話しに来いよ。」
ジャンの優しい声に、
エマはまた目を潤まし、
「ありがとう。」
と、笑って見せた。