第42章 喧嘩の後で
その頃。
「ジャーン!お前に面会!」
同部屋のコニーが、大声でジャンを呼ぶ。
ジャンはベッドで布団をかぶり、
丸くなっていたが、コニーの声に反応し
「うるせぇな。誰だよ。」
と、ダルそうにベッドから起き上がり、
腹を掻きながらドアを開けた。
「……ごめん、ジャン。
どうしても謝りたくて……」
ジャンは目の前に立っているエマに驚き、
急いで乱れた服を直す。
「エマさん?!
こんなとこまで来て何してんだよ!」
ジャンは部屋から出ると、
エマを廊下に連れ出した。
「ここ男子寮だぞ!?まずいだろ!
何かあったらどうすんだよ!」
ジャンは挙動不審に辺りを見回す。
「いや、何もなかったから大丈夫。」
「いやいや、まだわかんねぇよ!」
ジャンはそう言いながら、
誰も使っていない訓練部屋まで
エマの手を引いた。