第39章 ジャンに相談
「団長に今まで恋人がいた話なんて
聞いたことないし、
女に興味ないとか、兵長とできてるとか
色々噂されてるんだぜ?」
「リヴァイさんとできてるって……」
「そのくらい女っ気がなかった
ってことだよ!」
ジャンはエマに言い聞かせるように
声を上げる。
「そんな人をエマさんが
恋人として連れて行ったら、
完全に団長に心に決めた人ができたと
思われるだろ!」
「それってどういう意味?」
あまりに呆気にとられているエマを見て
ジャンは一度深呼吸をすると、
「分かった。エマさんにも
分かりやすいように言ってやるよ。」
そう言ってエマの肩を掴む。
「その場で団長を紹介したら、
エマさんと団長は、
結婚を考えてる風にまで思われても
仕方ないってことだ。」
ジャンのその発言を聞き、
エマは言葉を失った。
「まぁ団長が、何らかの手を
打ってくれるのかもしれねぇけど、
今のその状況を聞く限り、
極論はこういうことだろ。」
エマは少しの沈黙の後、
いきなり顔を上げて
ジャンの両肩を掴むと、
「あー!もうやだ!頭混乱してきた!
何でジャン、今回に限って
調査行っちゃうの?!
ジャンが調査じゃなかったら
ここまでの騒動にならなかったのに!」
そう言ってジャンの肩を前後に揺する。
「あぁ?八つ当たりすんな!
てか何の話だよ!」
「ジャンが調査じゃなきゃ、
もう未成年でも何でもいいから
ジャンを連れて行く予定だったのに!」
「……は?」
ジャンは一瞬言葉を詰まらせると、
顔を赤くした。
「いや、何で赤くなるの。」
エマは不思議そうに
ジャンの顔を覗き込む。
「俺がエマさんの恋人役するってこと?」
「そう思ってたけど、
ジャンが調査に出る日だったから
無理なんだよ。」
ジャンは大きくため息を吐き、
「ほんっと、エマさんの発想には
驚かされるよ……」
と、頭を掻きむしった。