第39章 ジャンに相談
「どうしたの?こんな朝早く。
今日はまだ休暇中だよね?」
「俺だってたまには早起きくらいするよ。
エマさんこそ、こんな朝早くから
菜園の手入れ?」
ジャンはエマの顔を覗き込む。
「……いや、まぁ私もたまには
早起きくらいするってこと。」
「なんだよ、俺と同じこと
言ってるだけじゃねぇか。」
「そう言えば、ジャン。腕もう大丈夫なの?」
エマはジャンの腕に視線を落とす。
「ああ。別に骨が折れてたわけじゃねぇし。」
ジャンは腕を振って見せた。
「そっか。それなら良かった。」
「………てかさ、俺のこと、警戒しないわけ?」
「ん?」
エマの目をじっと見つめるジャンを見て、
突然先日のリンゴ事件を思い出したエマは
一気にのけぞった。
「忘れてただろ。」
ジャンは呆れた顔で言った。
「今思い出した。
ってか私、今何も食べてないから。」
「別に俺は、
エマさんが食べようとするものを
奪ってくのが趣味なわけじゃねぇよ。」
エマの言葉にジャンは思わず突っ込む。