第38章 エルヴィンの提案
『リヴァイさんにああ言ったものの、
誰も連れて行かないっていいの……?
でも一人で貴族のパーティーに行くなんて……
かなり勇気がいるよ……』
エマは食堂で掃除をしながら、頭を悩ませる。
『それに、恋人を連れて行かない=
恋人いないってことで、
やっぱりまた心配かけるかなぁ。
とりあえず、代役でも立てるべき?
でも代役って言っても、口が堅くて、
あまり顔が割れてない人にしないとダメだし』
エマは数人の人物を頭に思い浮かべ、
また考え込む。
その時。
「エマ。」
食堂の前の廊下から、
エルヴィンに声を掛けられた。
「エルヴィンさん。
どうかされましたか?」
あの一件以来、
あまり会話はしていなかったが
その後もエルヴィンは、
いつも通りエマに接してくれていた。
「少し頼みたいことがあるんだが、
今時間はあるかな?」