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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第37章 突然の招待



「何か予定ありましたか?」

エマはリヴァイの顔を覗きこむ。


「壁周辺の調査がある。」

「あ、少数の精鋭部隊で壁の周りに集まる巨人を
調査するんでしたっけ?」

「そうだ。」

「まさか日にちがかぶっているとは……」

エマは招待状に目を落とすが、
すぐにリヴァイに向き直ると

「大丈夫です。それなら一人で行くので。」

そう言って笑ってみせる。



「……お前、男に声かけられても
ついて行くんじゃねぇぞ。」

リヴァイは眉間に皺を寄せた。


「……ついて行きませんけど。」

エマがふて腐れたようにそう言うと、

「こっちは心配してんだ。」

リヴァイはため息を吐く。


「大丈夫ですって。
そんな顔しないで下さい。」

エマは安心させるようにリヴァイに笑いかけた。






「それにしても、お前の身近で
“貴族の集まり”に誘える奴がいたとは
意外だな。」

「あれ、リヴァイさんに
話したことなかったですかね?」

エマは小首をかしげる。


「これ誘ってくれたの、
ピクシスさんです。ピクシス司令。」



少しの沈黙の後、リヴァイは口を開く。


「……お前、
結構な大物と知り合いなんじゃねぇか。」

驚きを隠しきれず、
思わず小刻みに足を揺らすリヴァイ。


「私が働いていた店の、
昔からの常連さんだったんですよ。」

エマはリヴァイの驚いた表情を、
楽しそうに見つめた。


「そんなやつと知り合いなら、
基地の料理人になるのに
わざわざ面倒な試験なんぞ受けなくても、
顔を利かせてもらえば
良かったんじゃねぇのか?」

リヴァイは呆れたようにため息を吐く。


「そうかもしれないですね……
でも、自分の力で入りたかったですから。」

力強いエマの語感に、
リヴァイは思わずエマの目を見入った。

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