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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第3章 再会



「ありがとうございます!
実は、104期の子たちにも
そんなこと言われたんですよ。」

エマは思わず、
思い出し笑いをしてしまう。


「エマさんが来てから食事が楽しみで、
訓練を頑張れるって。」

「ほう……サシャか?」

リヴァイは呆れたような顔をする。


「そうですね、
サシャが一番に言ってくれました。
彼女は自他共に認める
食いしん坊ですからね。」

毎食後おかわりを求めるサシャの顔が
目に浮かんだ。


「あ。でも、エレンやアルミンにも
褒めてもらいましたよ。」

エレン、その言葉を聞いて、
リヴァイは少し意外そうな顔をした。



「……お前、エレンの話は知ってるのか?」

そう言って近くの椅子に腰かける。


「あぁ、巨人になれる話ですか?」

エマもリヴァイの前の席に座った。


「……あいつが怖くないのか。」
今のリヴァイの表情は心なしか硬い。


「怖い……と思ったことはありませんね。」

そうエマは即答した。


「エレンが巨人になれたとしても、
私は彼が敵だとは思えないし、
人間に襲い掛かるような子にも見えないです。」

あっけらかんと答えるエマに

「それはまだ分からない。
あいつはまだ不明瞭なことも、
不安要素も多い。」

と、リヴァイは目を瞑った。


「……兵士長、という立場からしたら、
そう考えるのは分かります。
リヴァイさんは
エレンの監視役でもありますし……
でも、私はただの料理人なので。」

エマはそう言って笑う。


「エレンはいい子ですよ。
私の料理を美味しいって食べてくれて、
たまに片付けも手伝ってくれて。
それだけで、私が彼を信用する
要素としては十分なんですよ。」

そう言ったエマを
リヴァイは不思議そうに見つめた。



「な、なんですか。
あ。また私変なこと言ってますか?」

リヴァイの視線に耐えきれず、目を逸らす。


「……いや。
それもそうだな。と思っただけだ。」

リヴァイはフッと息を漏らす。


「え、今笑いました?」

すかさず突っ込むエマに

「笑ってねぇよ。」

と、リヴァイは眉間に皺を寄せた。



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