第3章 再会
調査兵団での仕事には
憲兵団の食堂にいたときよりも、
格段にやりがいを感じていた。
厳しい訓練で疲れ果てた兵士たちを
元気に、尚且つ満足させる食事を
限られた少ない食料で作ることは、
至難の業でもある。
憲兵団員に作るものと言えば、
酒のつまみがほとんどだったし、
食料もここより多く配給されていたので、
レシピに悩むことはほぼなかった。
だからこそ、ここに来てからは
寝る間も惜しんでレシピの開発に勤しんだ。
そんな努力もあってか、
兵団の食堂は賑わいが戻ったようだった。
「エマ。」
食堂で掃除をしていると
リヴァイに、先日教えたばかりの
自分の名前を呼ばれた。
「どうだ、もう慣れたか?」
調査兵団の食堂に配属されてから、
ひと月が経っていた。
「はい。おかげさまで、
もう随分慣れました。」
リヴァイの顔を見ると安心できる。
「そうか。兵士たちの士気も
心なしか上がった気がする。
食事は大事だからな。」
リヴァイからのその言葉は
何より嬉しかった。