第37章 突然の招待
ある晴れた日、エマは内地の商店街へ、
一人で買い出しに出かけていた。
「あと買うものは……」
エマがメモに目を落としながら
歩いていたその時、
「エマ!」
懐かしい声に呼ばれ、後ろを振り返る。
「おじちゃん!」
エマは声をかけた男の元に走ると、
勢いよく抱きついた。
「うぉ、久しぶりじゃないか!
元気にしておったか?」
急に抱きつかれた男は、驚きながらも
エマの頭をわしゃわしゃと撫でる。
「うん、元気してるよ!」
エマは顔を上げると、
男を嬉しそうに見上げた。
「ここで久しぶりに会えたのは、
何かの縁かも知れんな。
エマにこれを渡そう。」
男はエマに綺麗な白い封筒を手渡す。
「これ何?」
「パーティーの招待状だ。」
「……パーティー?」
エマは慣れない言葉の響きに、
つい聞き返す。
「どうせ仕事ばかりしておるんじゃろう?
たまには息抜きでもしたらどうだ。」
「こんなお堅い集まりに行った方が、
息が詰まりそう。」
「エマ。お前はそんなことばっかり
言っておるから、いつまでも
恋人の一人もできやしないんだ。」
「いやいや!
私だって恋人くらい、」
エマはそう言いかけて、口を噤む。
「ほう……エマにそんな仲の奴がいたのか。」
男はニヤニヤと笑い、
「それなら尚更だ。
このパーティーにその男も連れて来なさい。」
そう言ってエマの肩を叩く。
「え!いや、無理だよ!
そんなところに行くような人じゃないし……」
エマはリヴァイの顔を
思い浮かべながら、首を横に振った。