第34章 深い眠りの中で
「エマ。
エレンが起きたのはお前の手柄だ。
よくやった。」
地下の薄暗い廊下を抜け、
地上に向かう階段を上っている最中、
リヴァイはエマに声をかける。
「手柄、ですか。」
エマがその言葉に反応すると、
「なんだ。気に入らねぇのか?」
そう言ってリヴァイは階段を上る足を止めた。
「……役に立てたことは嬉しいです。
でも私は、兵団の力になろうという気持ちで
エレンに会ったわけじゃなくて……
どっちかっていうと、
自分のエゴでエレンに会ったので……」
エマは思わず目を伏せる。
「どっちにしても、お前がエレンを救ったんだ。
もう少し嬉しそうな顔をしろ。」
リヴァイはエマの頬を軽くつねると、
また階段を上りだす。
エマはリヴァイの後姿を追った。