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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第34章 深い眠りの中で





地下室へ続く通路は、細く長い。
そして奥に進むにつれて、
灯りが少なくなっていた。



「エレン、
こんなところに一人でいるんですね。」

「仕方ないことだ。」

「分かってます……
……でも、寂しいですよね。」

リヴァイはエマの頭に手を置く。


「……そうかもしれないな。
だが、もしものことを考えての対処だ。
エレンも理解している。」

エマは小さく頷くと、
お盆を持つ手に力が入った。








リヴァイが鍵を開け、地下室の中に入る。

エレンは静かにベットに横たわっていた。


「起きる兆しは全く見られないんですか?」

「ああ。床擦れしないように
交代でエレンの身体を動かしているが、
特に反応はない。
まぁ、これじゃ介護だがな。」

リヴァイはベッドの前の椅子に乱暴に座る。




「取りあえず、傍に置きます。」

エマはエレンの枕元近くの机に、
お盆を置いた。


「ミネストローネか。」

リヴァイは湯気の立つ皿の中を覗きこむ。


「こいつはこれが好物だったのか?」

「……分かりません。」

リヴァイの問いに、
エマは首を横に振る。



「実は、エレンの好物って言われても、
ピンとこなかったんですよね。
いつも、私の料理は何でも美味しいって
食べてくれてたんで。」

エマはそう言って小さく笑う。



「でも、このスープ飲んでる時は
特に嬉しそうな顔してた気がして。」

「お前は本当によく人を観察しているな。」

「町の食堂に居た時に、
観察眼は鍛えられました。」

エマはそう言ってエレンの顔を見る。

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