第33章 決断、そして。
その日の夜。
エマはリヴァイの部屋にいた。
調査の報告を終え、
リヴァイは疲れ切った表情で
ソファーに座り込んでいる。
エマはそんなリヴァイの横に座ると、
そっと手を握った。
「お疲れさまです。」
「……ああ。」
リヴァイは横目でエマを見る。
「人が死んだ報告は、
何回しても慣れないもんだな……」
リヴァイはそう言うと、目を瞑る。
エマは何も言わず、
リヴァイの手を握りしめた。
しばらく目を瞑っていたリヴァイだったが、
「エマ。お前に謝らないといけない。」
そう言ってエマの方を向き、
真剣な目で見つめる。
「……昨日は悪かった。痛かっただろう。」
リヴァイのその言葉に
エマは笑って見せると、
「あの行為で、リヴァイさんが
生きていることを実感できたなら
私の痛みなんて、大した問題ではないです。」
そう言ってまた強くリヴァイの手を握った。
「……そうか。」
リヴァイは柔らかい表情で少し息を吐く。
「だが、もうあんな乱暴な真似はしない。
すまなかった。」
エマはリヴァイの目を見つめると、
「私の方が、謝らないといけないです……」
そう言ってリヴァイから手を離した。
「リヴァイさんが、調査に行く前日に
言っていた言葉の意味が分かりました。
そして、私は決断を迷いました。」
エマは俯き、話し続ける。
「……リヴァイさんがいない間、
エルヴィンさんに支えてもらっていました。」
リヴァイは静かにエマの目を見つめた。