第33章 決断、そして。
朝になり、兵団は調査の報告で慌ただしくなる。
エマは食事の準備もそこそこに、
怪我人の手当に駆り出された。
「エマさん、ありがとう。」
左腕に包帯を巻き終えたアルミンが
エマに声をかける。
「あまり慣れてないから、
うまく巻けなくてごめんね。」
エマはアルミンの包帯に触れる。
「ううん。そんなことないよ。」
アルミンは笑って見せた。
「そう言えば、エレンの姿を見ないけど……」
エマはずっと気になっていたことを口にする。
アルミンは少し俯くと、
「巨人化の影響で、
まだ目が覚めていないんだ。」
そう言って小さく息を吐いた。
「万が一のことを考えて、
今は地下室で眠ってるよ。」
「……そうだったんだね。」
エマはアルミンの悲しそうな目を見つめ、
「大丈夫。エレンは目を覚ますよ。」
そう言ってアルミンの頭を撫でる。
「そうだね。……僕たちが信じなきゃね。」
アルミンはエマに笑って見せた。