第1章 出会いと変化
「エマ!
早く昼定食の用意をしろ!」
ジムはいつにない焦った声で私を呼んだ。
「……そんなにすごい人なの?」
あっけらかんとスープを温めなおす私に
「お前は本当に何にも知らないんだな!
調査兵団のエルヴィン団長と
リヴァイ兵士長だぞ!」
と、鼻息を荒くして怒鳴る。
「調査兵団か……
あんまりいい噂は聞かないよね」
「シッ!聞こえたらどうする?!」
ジムは焦った声で私の口を塞いだ。
「……とにかく、この食料難に
ここで作る料理に限界があることくらい
調査兵団の方なら知っているはずだ!
何か訳があって来たんだろうが……
さっさと食べて帰ってもらうぞ!」
『……そんなに怖い人たちなわけ?』
チラッと調査兵団の二人を見る。
「いいから早くお前が持って行け!」
「え?私が行くの?」
「俺はパスだ!
これ以上寿命を縮めたくないからな!」
そんな無茶な……
私は無理やりお盆を持たされ、
ホールへ放り出された。