第31章 調査兵団帰還
エマはハンジと別れると、
リヴァイの部屋へ向かう。
自分がリヴァイを支えられる立場ではない。
そう考えながらも、
今リヴァイに会わなければ、
後悔することになる。
そうも感じていた。
その時、廊下でエルヴィンとすれ違う。
「エルヴィンさん。」
エマは思わず足を止めた。
「エマ。……行くんだな。」
エルヴィンはそう言って小さく笑う。
「………すみません。」
「いいんだ。」
エルヴィンはエマの頭に手を置き、
「今のリヴァイも、
きっと強く君を求めているだろう。
傍にいてやってくれ。」
と、足早に廊下を歩いて行った。
エマはリヴァイの部屋に辿り着き、
ドアをノックする。返事はない。
合鍵で入ることも考えたが、
リヴァイの意思を無視することは
したくないと思いドアの前に座り込む。
そして、
「リヴァイさん。私です。
ずっとここで待ってますから。」
ドアに向かってそれだけ伝えると、
エマはドアが開くのを静かに待った。