第29章 憲兵団での仕事
昼時になり、食堂は賑わってきた。
そんな時。
「エマ。順調かな?」
エマはエルヴィンに声をかけられる。
「エルヴィンさん!
こっちはなんとか。
エルヴィンさんも順調ですか?」
エマは厨房から顔を覗かせた。
「どうだろう。
まぁ、なんとかなるだろう。」
エルヴィンは曖昧な返事をすると、
スープの入った皿を盆に乗せる。
「憲兵団の基地でもエマのスープが
飲めるなんて嬉しいよ。」
「え、飲んでないのに私が作ったこと
分かるんですか?」
エマは普通のスープと変わり映えのしない、
自分の作ったスープに目をやる。
「当たり前だろう。匂いで分かるよ。」
エルヴィンは目を瞑って、匂いを嗅いでみせる。
「さすがですね。作り甲斐があります。」
エマは嬉しそうに笑い、
「今日は基地に帰るの
何時ごろになりそうですか?」
エルヴィンにそう問いかける。
「まだ初日だからな。
早めに切り上げようと思う。エマは?」
「それなら私も今日は早めに帰ります。
帰りもご一緒していいですか?」
「もちろんだよ。」
エルヴィンは笑って答えた。