• テキストサイズ

自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第29章 憲兵団での仕事





基地に残っているのは、
数人の怪我人と医師、料理人、
そしてエルヴィンだけだったが、
エルヴィンの判断で兵団が帰ってくるまでの間、
故郷に帰ることを許された。


エマもクロルバ区に戻ることを
考えたが、そこに帰ったとしても
待ってくれている人は、もういない。

それならここに残った方が気持ちが楽だ。

そう思い、基地に残ることを決めた。


また、エルヴィンも仕事の関係で
基地に残ることになる。


広い基地で、エマとエルヴィン、
二人きりの生活が始まった。







「エルヴィンさん、朝ごはん、食べましたか?」

エマは食堂のいつもの席で
本を読みながらコーヒーを飲む
エルヴィンに声をかける。


「いや、今朝はコーヒーだけでいい。
なんだか食欲がなくてね。」

心なしか、
浮かない表情のエルヴィンに

「何か心配事ですか?」

と、エマは声をかけ、
エルヴィンの顔を覗き込む。


「今日から憲兵団の手伝いに
駆り出される予定なんだよ。」

エルヴィンは本を閉じると、ため息を吐いた。


「私はどうも、あの空気に馴染めなくてね。」

憂鬱そうに頬杖をつくエルヴィンにエマは、

「奇遇ですね!
私も今日から憲兵団の手伝いですよ!」

そう言って身を乗り出した。


「君は休暇の予定じゃなかったのか?」

「憲兵の料理長から頼まれたんです。
人手が足りないから手伝って欲しいって。
私も憲兵より調査兵の方が好きなんですけど、
料理長には頭が上がらないので。」

エマは料理長の後ろ盾もあって
ここに来られたことを思い出しながら言った。


「そういう事か。
それなら少しやる気が出るな。」

エルヴィンはエマに笑いかける。


「本当ですか?
でも私も、エルヴィンさんと一緒に
憲兵団の手伝いだと思うと、心強いです。」

「それなら良かった。
迎えの馬車が来るだろうから、
エマも一緒に乗っていきなさい。」

エルヴィンは立ち上がり、食堂を後にした。

/ 770ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp