第27章 距離が縮まる夜

「……すみません、もう限界です。
頭から湯気でそうです……」


顔を真っ赤にしたエマの一言に、
エルヴィンは思わず吹き出した。


「笑いごとじゃないですよ！
エルヴィンさん、面白がりすぎです！」

エマは笑っているエルヴィンの肩を叩く。


「すまない。
そこまでとは思わなくて……」

エルヴィンの笑いは止まらない。



「別に、興味がないとかじゃないんですけど、
今までそういうことがなさ過ぎたんです。
環境のせいってことにさせて下さい……」

顔を赤らめたまま言うエマを
エルヴィンはいきなり押し倒すと

「興味がない訳ではない、か。
それなら問題ない。」

そう言ってエマの耳元にキスをする。


「え、エルヴィンさん！！
からかわないで下さい！」

「私は本気だよ。
ずっとこうしたかった。」

エルヴィンは唇をエマの耳元から
鎖骨まで這わせる。

そして優しい手付きでエマの髪を撫でた。


エマはエルヴィンの艶めかしい胸元から
思わず目を逸らす。



「無防備すぎる君が悪い。私も男だからね。」


「……エルヴィンさん、
それも本気で言ってますか？」

エマのその言葉に、
エルヴィンは動きを止めた。