第27章 距離が縮まる夜
「疎い、と思います。
リヴァイさんにも呆れられました。」
「そうか。私はその方が嬉しいけどな。」
「な、何言ってるんですか?」
そう言い、エルヴィンの方を向くエマだったが、
思っていた以上に距離が近いことに驚き、
また目を逸らす。
「エマがもし、
男の身体に興味があるなら、私の身体で良ければ
目を慣らすのに使ってくれていい。」
エルヴィンはエマの手を取ると、
自分の胸元に持っていく。
エルヴィンの肌は、想像以上に硬く、逞しい。
そして、少し早い鼓動の音が手から伝わり、
エマの鼓動も一層早く刻み始める。
「……いや、エルヴィンさん、あの」
「私はエマに触ってもらえると嬉しいが。」
エマの言葉を遮るエルヴィンの目は
優しくも、真剣だ。