第25章 調査兵団、出発の日
兵団が去った後の基地は、静まり返っている。
エマは一通り食堂の掃除を済ませると、
いつもリヴァイが座っていた席に座り、
顔を伏せる。
そしてここでリヴァイに
再会した時のことを思い出していた。
「……リヴァイさん。絶対帰って来て下さい。」
そう呟き、顔を上げると
目の前にはエルヴィンが座って本を読んでいた。
「え、エルヴィンさんっ!」
エマは思わず声を上げ立ち上がる。
「……見てたんですか?
と言うか、聞いてたんですか……?」
エマの動揺した反応に
エルヴィンは小さく笑うと、
「明日は街にでも行かないか?
買い出しを手伝って欲しい。」
そう言って本を閉じる。
「エマの気が落ち込むのも当然だろう。
気分転換しよう。」
エマは少し笑うと、
「ありがとうございます。
ご一緒させてください。」
そう言って頷いた。