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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第25章 調査兵団、出発の日




「リヴァイ。心配事か?」

「いや。頼み事だ。」

リヴァイはエルヴィンの目を凝視する。


「俺にもしものことがあった時は、
エマのことを頼む。」


少しの間があったあと、
エルヴィンは吹き出した。


「なっ……、笑うような話じゃねぇだろ!」

リヴァイは声を荒げる。


「真剣な顔で何を言うかと思えば。
そんなことか。」

エルヴィンはニヤリと笑うと、

「別にお前が
帰って来ても来なくても、
俺はエマを諦めるつもりはない。」

そうリヴァイに耳打ちした。



「お前っ……」

「まぁ、お前が帰ってこなければ、
楽にエマをものにできるんだがな。」

そう言ったエルヴィンの含み笑いに、

「絶対帰ってくるから
エマに手を出すなよ……」

と、リヴァイは表情を硬くする。


「お前はその言葉の方が似合うよ。」

エルヴィンはそう言うと、
エマの元に戻っていった。








「エルヴィンさん、リヴァイさん何て?」

「大したことではなかったよ。」

エルヴィンはエマの問いに笑って答えた。


リヴァイはエマに視線を向けた後、
兵の指揮を執り、壁の外へ出て行った。



「リヴァイさん、何か言いたげでしたね。」

「そうだな。
まぁ、帰って来てから聞けばいいだろう。」

エルヴィンはそう言って笑い、

「さぁ。私たちは基地に戻ろう。」

と、エマの背中を押した。


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