第25章 調査兵団、出発の日
そして、ついに調査の日が訪れる。
エマも兵団を見送るため、
街に来ていた。
前日の晩は久しぶりの豪勢な食事に
はしゃいでいた兵士たちだが、
団服に身を包み、
出発前にエルヴィンからの言葉を聞いた後は
昨晩とは打って変わって、
全員が真剣な顔つきに変わる。
リヴァイの表情もまた、血気に満ちていた。
エマは思わず、唇を浅く噛む。
「エマ。そんな辛そうな顔で見送ると、
リヴァイが心配する。」
エルヴィンはエマの肩を優しく叩いた。
「エルヴィンさん……すみません。」
エマは俯く。
「彼は強い。信じよう。」
エルヴィンの言葉は、力強く、重い。
その時、リヴァイがエルヴィンに目配せをした。
エルヴィンは早足でリヴァイの元へ向かう。