第24章 兵団の為に出来ることを
「アルミン、心配してきてくれたのか?」
「リヴァイ兵長にエレンが怒られないか
心配だったからね。」
アルミンはバツが悪そうに
エマに笑いかける。
「ああ、今日はそれ、大丈夫な日なの。」
エマのその言葉に、
アルミンは不思議そうに首を傾げ、
エレンはまた笑った。
「アルミン。俺の心配なんかより、
自分はどうだったんだよ?」
エレンのその問いかけに、
アルミンは耳まで顔を赤くすると
「……気持ちは、伝えられたよ。」
と、呟くように言った。
「これはエマさんにも内緒だからなー」
エレンは得意げにエマの顔を見るが
「……ごめん。アルミン。
実は見ちゃったんだよね。」
エマのその答えに、一瞬場が凍る。
「えっ、えっ、
見ちゃったって、な、なにを?」
アルミンは明らかに挙動不審だ。
「エルヴィンさんとアルミンが
一緒にいるとこ。」
エマはそうアルミンに耳打ちすると、
「大丈夫。誰にも言わないし、
エルヴィンさんも私が見てたこと
知ってるから。」
そう言ってアルミンの肩を叩く。
「もう恥ずかしくて
エマさんに顔合わせらんないよ……」
アルミンは両手で顔を覆う。
「なーんだ。エマさん知ってたのか。
なのにそんな冷静な反応?」
「そりゃ最初はかなり驚いたけど。
意外、ってこともないかな。
エルヴィンさん優しいし、恰好いいし。
アルミンの気持ち、分からなくないしなぁ。」
「……それ、リヴァイ兵長が聞いたら
やばいと思うよ。」
エレンは悪戯っぽく笑った。
「なんにせよ、調査前に
後悔を残さないっていいことだと思うよ。」
エマは真っ赤になって両手で顔を
覆ったままのアルミンの肩を叩く。
アルミンは手の隙間から、
エマのことを見ると
「………そうだよね。
うん。ありがとう。」
そう呟くように言った。
「!アルミン可愛すぎる!!」
そんなアルミンにエマが抱きつくと
「エマさん、ずるいぞ!
俺だってアルミン抱きしめたい!」
そう言ってエレンもアルミンを
後ろから抱きしめる。
「もう……、二人ともからかわないでよ!」
アルミンは照れ臭そうに声を上げた。