第24章 兵団の為に出来ることを
「うん。朝、菜園近くの公園で。」
「ジャン、エマさんに
何か言ってなかった?
……例えば、好きな人の事とか。」
エレンのその問いに、エマは少し考えるが
「言ってたと言えば言ってたけど……
特に真相は聞き出せなかったし、
聞いてないに等しいかなぁ。」
そう答えた。
「……そっか。」
「何?エレン、何か知ってるの?」
エマはエレンの顔を覗き込む。
「知ってるけど、エマさんには言わない。」
「……そんなハッキリ言われちゃうと、
もう聞き出せないじゃん。」
エマはふて腐れたようにため息を吐く。
少し間が開くと、エレンが口を開いた。
「ジャンのこと、抱きしめてあげた?」
エレンの突然の問いにエマは一瞬固まるが、
「うん。
なんか、すごく不安そうだったからね。」
そう言って少し俯く。
「そっか。ならいいんだ。」
エレンはそう言いながら、
複雑な表情を浮かべた。
「エレンも抱きしめて欲しかった?」
エレンのその表情を見て
エマがそう問いかけると
「え?俺も抱きしめてもらえるの?」
エレンはそう言って
嬉しそうに顔を上げるが、
「……いや、でもさすがにそれはいいよ。」
と、また顔を伏せる。
「それって遠慮してるの?」
エマはそう言いながら
エレンを抱きしめた。
「……ミカサに怒られないかなぁ?」
「何でミカサが怒るんだよ。
俺は兵長が怖いけど。」
エマの問いかけに
エレンは呆れたように答えると、
そっとエマの腰に手を回す。
「今日は大丈夫。リヴァイさんだって
色々私に言えないことしてるだろうしね。」
エマがそう言って少し笑うと、
「それならいっか。」
と、エレンも笑った。