第24章 兵団の為に出来ることを
エマはエレンが話し終わるとすぐ、
エレンの髪を乱暴に撫でた。
「その年で何そんな
大人びたこと言ってんの。」
エマはエレンに笑顔を向け、
「自分が巨人になれるからって、
私が特別扱いしてあげるとでも思ってた?」
そう言って、髪を撫でる手を止める。
「周りに何言われようと関係ない。
エレンはみんなの為に、自分の為に、
この兵団で頑張ってる一人なんだから。」
エレンはエマのその言葉に
嬉しそうに笑った。
「エレンは想いを伝える相手いないの?」
エマはそう言いながら、
ミカサの顔を思い浮かべる。
「いないよ。
だからこうして一人で廊下を歩いてるんだろ。」
エレンは退屈そうに答えた。
「ミカサは女からの人気が集中して
忙しそうだし、
アルミンは男に囲まれてる最中だと思う。」
エレンのその言葉に、エマは笑い出すと
「どっちもかなり想像つくね。」
そう言って肩を震わせた。
「それに意外とジャンに人気がある
っていう事実も判明して、
俺は落ち込む一方だよ。」
エレンが呆れたように笑うと、
「ジャンがモテてるのは、
私もかなり意外に思ったよ!
普段あんなに皮肉っぽくて
つんけんしてるのに。」
エマもそう言って同調した。
エレンはエマのその言葉に、
「それ、ジャンに聞かせてやりたかったな。」
と、笑い出す。
「あー……本人にそれらしきことは
言っちゃったけどね。」
「……今日、ジャンに会ったってこと?」
エレンは意外そうな顔でエマに問いかけた。