第23章 壁外調査、三日前は
「エルヴィンが1番告白されてるのは確かだよ。
彼に憧れてる子は多いからね。」
ハンジは机の前の椅子に座る。
「しかもエルヴィン、
仕事してるとき以外は優しいから。
何かとリクエストに答えてあげてるし。」
「そんな気がします。
と言うか、さっきもかなり忙しそうでした。」
エマはそう言いながら、
ソファーの書類を隅に除けて座った。
「でも、その次に声かけられてるのは
きっとリヴァイだよ。
なんてったって人類最強の男だからね。」
ハンジはほくそ笑む。
「その考え、一生懸命頭で掻き消しながら、
ここに来たんですけどね……」
エマは遠い目で言った。
「あはは、ごめん、ごめん!」
ハンジは謝りながらも面白そうに笑うと、
「……リヴァイさんも、
そういうこと、するんですかね……?」
エマはそう言って悲しそうな目をする。
「まぁリヴァイも仲間想いだし、
できることはしてやりたい
って思ってるんじゃないの?」
「……できること、ですか。」
エマはそれだけ言うと、黙り込んだ。
「とりあえず、
リヴァイの部屋に行ってみたら?」
ハンジは俯くエマの頭を優しく叩いた。